



セロ弾きのゴーシュ
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4.0 • 671件の評価
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発行者による作品情報
宮沢賢治が死の直前まで推敲を重ね、最も完成度の高い作品と言われる。楽団の中で一番技術が未熟なセロ弾きのゴーシュ。そんなゴーシュのもとに、夜毎、やってきては演奏をねだる動物たち。なぜならゴーシュのセロを聴くと病気が治るから。動物たちの前で演奏を続けているうちに、みるみる腕前が上達し、とうとうゴーシュは楽団の誰からも称賛されるセロの名手として成長していく。動物たちとの交流を通して、音楽的だけでなく人間的にも成長していく様子が微笑ましく描かれる。セロとはチェロのことで、宮沢賢治は実際にチェロを練習した経験があり、熱烈な音楽好きで知られた賢治の特色が特に発揮された作品でもある。
APPLE BOOKSのレビュー
宮沢賢治の代表作として有名な童話ではあるが、賢治の亡くなった翌年の1934年に発表された。ゴーシュは街の楽団「金星音楽団」に所属するセロ弾き。楽団は、その日も音楽会に向けて『第六交響曲』の演奏練習を行っていたが、あまりにも下手なゴーシュの演奏に楽長は憤慨し、彼を叱責した。その夜、ゴーシュの家に三毛猫がやってきて、彼の演奏を聴かせてくれという。三毛猫の態度にいら立ちを覚えたゴーシュは鬱憤(うっぷん)を晴らすように、「印度の虎狩」という曲をかき鳴らしてみたり、次の日にやってきたかっこうにも一晩中演奏を懇願された挙げ句、怒りをぶつける。しかし、狸(たぬき)の子どもに、野ねずみの親子と次々と彼の演奏を聴きに来る動物たちに対応をしていたゴーシュだったが、次第に自らの演奏が変わっていくことに気付いていく…。賢治自身がチェロを熱心に練習していたと記録には残っているが、演奏の腕は今ひとつだったようだ。この童話もゴーシュに自分を重ねていたのかもしれない。絵本やマンガ、映像や、戯曲とさまざまな形で表現され、賢治の死後も時代を超えて人々に愛され続けている作品。
カスタマーレビュー
秀作
何をしても上手くいかなかった演奏が作品に出てくる動物達のおかげで上手くいく話。落ち込んで自宅に帰ったゴーシュは夜中来た
猫(彼女❓)今のゴーシュの実力を示す かっこう→音感 狸→リズム感
野ネズミ→人のために演奏。以上3点のために汚名を晴らす。