



国宝 上 青春篇
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4.4 • 50件の評価
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- ¥850
発行者による作品情報
俺たちは踊れる。だからもっと美しい世界に立たせてくれ! 極道と梨園。生い立ちも才能も違う若き二人の役者が、芸の道に青春を捧げていく。芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞をダブル受賞、作家生活20周年の節目を飾る芸道小説の金字塔。
APPLE BOOKSのレビュー
歌舞伎の世界を舞台に、芸の道にすべてをささげ、熱く激しく生きた男の半生を描くエンターテインメント作。芥川賞受賞作『パーク・ライフ』や『パレード』など、文学性と娯楽性を併せ持つ力強い物語で人気を誇る吉田修一の、作家生活20周年を記念するにふさわしい作品だ。任侠の家に生まれながらも、巡り巡って歌舞伎役者の道を選んだ主人公の喜久雄。因習に縛られ、華やかな舞台の裏でスキャンダルや嫉妬が渦巻く伝統芸能の世界を、歌舞伎の名門に生まれた俊介らと切磋琢磨しながら切り開いていく姿が鮮烈だ。芸を極めた者の孤独と、その孤独を引き受けた者だけが到達できる高み、そんな彼らを取り巻く人々の苦悩と犠牲が折り重なった、重厚なドラマツルギーに圧倒される。1960年代から現代へ、舞台からテレビへと、エンターテインメントが過剰な上昇エネルギーに包まれていた時代を背景として、もがき苦しみながらも自らの宿命を引き受けた喜久雄。その生き様に、まるで大河ドラマを観ているような気分にさせられる壮大な一作。2025年映画化。
カスタマーレビュー
競馬歴50ねん
、
喜久雄と俊介
下巻が楽しみ